とうやまりょうこの小説・エッセイ教室


 どんな小説を書きたいですか? 書きたい作品に近づけるために具体的にどんなことを工夫すればいいのか、わかりやすくアドバイスします。
 主題の捉え方、主題を生かす登場人物の設定の仕方、書き出し、文体、構成…、小説を書くには考えなければならないことがたくさんありますが、一つ一つゆっくり習得していきましょう。
 ジャンルは問いません。
 まずは30枚、書いてみませんか。
1回の作品提出にたいして1回指導します。
作品提出のあと、都内〜横浜近郊にて対面で指導し概評をお渡しします
〜30枚まで 1回 ¥5,000(税込)
31枚〜80枚 1回 ¥6,000(税込)
81枚〜150枚 1回 ¥9,000(税込)
151枚〜200枚 1回 ¥12,000(税込)

お申し込み・お問い合わせは ryoukotouyama@gmail.com


とうやまりょうこ
 1977年川崎市生まれ。法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻修士課程卒業(修士論文は井原西鶴「万の文反古」の作品論)。在学中法政大学文芸研究会に所属。2000年から「婦人文芸」同人。2006年から約10年間編集責任を務める。2001年電子書籍2タイトルを文芸社より刊行。2007年森田雄蔵賞受賞(「小説と詩と評論」主宰)。2009年「季刊文科」第四五号に「同人雑誌の周辺」を寄稿。2014年全作家文学賞佳作。2002年から文芸誌「孤帆」主宰。

「三田文学」2915年春季号より
 水牛 では、とうやまりょうこ「五月の花束」(「孤帆」)にいきます。 横浜の花屋でアルバイトをしている朋子という女性が出てきます。毎週お任せで三千円の花束を注文する高久という三十歳くらいの男性がいて、朋子がその人のところに花を届けに行くところから話は始まります。朋子は高久という男性に惹かれているようなんですね。花を届けに行くと高久は目を赤く腫らしていて、「奥さん、お悪いんですか」と朋子は花屋としては踏みこんだことを言ってしまいます。そうしたら、もう花は今日まででいいから、これは自分が言うところに届けてほしいと言われる。どうやら奥さんは死んでしまったらしい。それで花束を、金物屋を営む斉藤忠明という初老の方のところに届けに行きます。そこで高久と斉藤さんの交流の回想になるのですが、交流といっても、車椅子に乗っている奥さんの面倒を見ているというところで共通点があって、二回会ったというだけ。花束を斉藤さんのところに届けて朋子は帰るのですが、斉藤さんの奥さんはすでに亡くなっていて、しかし、前日が母の日だったということで、斉藤さんはその花を奥さんに供える。都会的な、人と人とのちょっとした交流というのか、すれちがいというのか、そういうことを切りとった洗練された作品だと思いました。
浅野 興味の対象となる高久の人物像があいまいですよね。だからこそ面白い。朋子が高久そのものを知り尽くして充足するという方に小説が向かわない。朋子が高久の背後にあった関係を垣間見る、そして高久を作った世界に入っていく、その臨場感を読み手も得られる。届けられた花が止まっていた時間を動かす感じで、斉藤さんも意識が少し変わるわけですよね。とうやまりょうこさんはいろいろな作品を書かれているので、これからも楽しみです。
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